GLP-1受容体作動薬

GLP-1受容体作動薬について

GLP-1製剤とは?

GLP-1製剤は、2型糖尿病の治療に使われる薬の一つです。
GLP-1というホルモンの働きを強めて、血糖値をコントロールするお手伝いをします。

【画像】糖尿病注射

GLP-1ホルモンとは何ですか?

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をすると腸から分泌されるホルモンです。
このホルモンは、主に次の3つの重要な働きをします。

  1. インスリンの分泌を助ける
    食事をした後、血糖値が上がると、GLP-1は膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促進します。インスリンは、血糖値を下げるために重要なホルモンです。
  2. グルカゴンの分泌を抑える
    グルカゴンは、血糖値を上げる働きがあるホルモンですが、GLP-1はこれを抑えて血糖値が上がりすぎないようにします。
  3. 胃の動きをゆっくりにする
    GLP-1は、胃から食べ物が腸に送られるスピードを遅くし、血糖値の上昇を緩やかにします。

これらの働きによって、血糖値のコントロールが改善されます。

GLP-1製剤の特徴

GLP-1製剤は、このホルモンの作用を強めることで、血糖値の管理をサポートします。
特に、食事後に急激に血糖値が上がるのを防ぎ、1日を通じて血糖値が安定するようにします。

さらに、次のような効果もあります。

  • 食欲を抑える効果
    GLP-1は脳にも作用し、満腹感を感じやすくします。
    そのため、食べ過ぎを防ぐことができ、体重管理にもつながります。
  • 体重減少のサポート
    一部の患者様では、食事量が減ることで体重減少が期待できるため、体重コントロールも重要な方に適しています。

GLP-1製剤の種類

1. 内服薬

最近では、GLP-1製剤の内服薬(リベルサス)が登場しています。毎朝食30分前にリベルサス1錠を少量の水で服用するだけになります。服用方法を守らないと効果がでない場合があります。
注射を避けたい方にはお勧めの治療法となります。

2. 注射薬

GLP-1製剤の主流は注射タイプで、自己注射を行います。
注射薬には、毎日注射するタイプと、週に1回の注射で済むタイプがあります。

  • 毎日注射するタイプ
    例えば、リラグルチド(商品名:ビクトーザなど)がこのタイプです。
    この薬は、毎日1回、決まった時間に皮下注射します。
  • 週に1回注射するタイプ
    デュラグルチド(商品名:トルリシティ)やセマグルチド(商品名:オゼンピック)がこのタイプです。
    週に1回の注射でいいため、日々の管理が楽になります。
注射薬の特徴

注射はペン型の自己注射器で行うため、使い方は比較的簡単です。
医師や看護師から使用方法の指導を受けることで、誰でも自宅で安全に注射ができます。

副作用について

GLP-1製剤を使い始めると、一部の患者様で以下のような副作用が現れることがあります。

  • 吐き気
    最も一般的な副作用です。
    特に治療開始直後に感じやすいですが、時間が経つと慣れてくることが多いです。
  • 胃腸の不調
    お腹が張ったり、胃の不快感を感じることがあります。
  • 低血糖
    他の糖尿病治療薬と併用している場合、低血糖が起こることがあります。
    低血糖の症状には、手足の震え、冷や汗、めまいなどがあります。

まとめ

GLP-1製剤は、血糖値のコントロールを改善し、長期的な合併症を防ぐために役立つ治療法です。
また、食欲のコントロールや体重減少にも効果があるため、糖尿病治療だけでなく、全体的な健康の維持にも役立ちます。

ただし、どの治療法が適しているかは個々の患者様によって異なるため、医師とよく相談しながら、自分に合った治療を選んでいくことが大切になります。