糖尿病内科

診療方針

糖尿病診療指針

  1. 迅速な検査結果の提供
    当院では、HbA1c、血糖値、尿検査を実施し、その日のうちに結果をお伝えします。
  2. 個別の目標設定
    患者様一人ひとりに合わせた血糖コントロール目標を設定し、適切な管理プランを立てていきます。
  3. 包括的な治療提案
    糖尿病は生涯にわたり共に歩んでいく病気です。
    当院では、患者様一人ひとりに食事療法や運動療法の提案をいたします。
    患者様の生活の質の向上を目指し、経済的にも持続可能な薬物療法を提供します。
  4. 健康長寿のサポート
    合併症の予防に努め、糖尿病がない方と同じように健やかな人生を送れるよう、患者様の健康長寿を共に目指します。

糖尿病とは

糖尿病は、体が血糖(血液中の糖分)をうまくコントロールできなくなる病気です。
通常、食べ物から摂取した糖分は血液に入り、インスリンというホルモンの助けを借りて、体の細胞にエネルギーとして取り込まれます。
しかし、糖尿病の方はこのインスリンがうまく働かないか、インスリンが不足しているため、血糖値が高くなりやすくなります。

糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 1型糖尿病
    体がほとんどインスリンを作れなくなるタイプです。
    主に若い頃に発症し、インスリン注射が必要です。
  • 2型糖尿病
    体がインスリンに対して抵抗性を持つか、インスリンの量が足りなくなることで起こります。
    生活習慣、特に食事や運動が大きな影響を与えるため、生活改善、薬物治療で管理します。

糖尿病は放置すると、目や腎臓、神経の障害、心臓病や脳卒中のリスクも高くなります。
しかし、適切に治療や生活管理をすることで、健康な生活を送ることが可能です。

糖尿病の症状

糖尿病の症状は、血糖値が高い状態が続くことで現れますが、初期の段階では自覚症状がほとんどないこともあります。
特に2型糖尿病では、長期間にわたって無症状で進行することが多いです。
しかし、血糖値がコントロールされていない状態が続くと、次のような症状が現れます。

一般的な症状

  1. 頻尿(ひんにょう)
    血糖値が高いと、体は余分な糖を排出するために尿の量が増えます。
    そのため、トイレに行く回数が増えることがあります。
  2. 喉の渇き(口渇)
    頻繁に尿が出るため、体内の水分が失われ、喉が渇きやすくなります。
    結果として、水分を大量に摂取するようになります。
  3. 異常な疲労感
    細胞がエネルギー源である糖を十分に取り込めないため、常に疲労感を感じることがあります。
  4. 体重減少
    インスリンが不足することで、体が脂肪や筋肉をエネルギー源として使い始め、急激な体重減少が起こることがあります。

注意点

糖尿病の症状は非常に緩やかに進行することが多いため、定期的な血糖値やHbA1cの測定、尿検査、合併症検査が重要です。
特に、家族に糖尿病の既往歴がある方や、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣リスクがある方は注意が必要です。

糖尿病の検査

糖尿病の検査は、血糖値を測定して診断します。以下は、主な検査方法です。

1. 空腹時血糖値
  • 内容:空腹状態(8時間以上食べていない状態)で血液を採取し、血糖値を測定します。
  • 基準値:正常値は100mg/dL未満、100~125mg/dLは境界型、126mg/dL以上で糖尿病と診断される可能性があります。

ポイント

手軽に行える検査ですが、一度だけでは糖尿病を確定できないことが多いので、他の検査と組み合わせます。

2. 随時血糖値
  • 内容:食事に関係なく、任意の時間に血糖値を測定する検査です。
  • 基準値:200mg/dL以上であれば糖尿病が疑われます。

ポイント

この検査結果が高ければ、他の検査で確認を行うことが一般的です。

3. HbA1c(ヘモグロビンA1c)検査
  • 内容:過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値を反映する指標で、血液検査で測定します。
    ヘモグロビンに結合した糖の割合を調べます。
  • 基準値:5.7%未満が正常、5.7~6.4%で糖尿病予備軍、6.5%以上で糖尿病の診断基準に該当します。

ポイント

食事や時間に左右されず、長期間の血糖コントロールの状態を知ることができるため、診断や治療の効果確認に有効です。

4. 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)
  • 内容:75gのブドウ糖を含む飲み物を摂取し、その後2時間にわたって血糖値の変化を測定する検査です。
  • 基準値:2時間後の血糖値が、140~199mg/dLであれば耐糖能異常(糖尿病予備軍)、200mg/dL以上であれば糖尿病と診断されます。

ポイント

特に妊娠糖尿病の診断や、検診等で糖尿病の疑いが出た場合に行います。

5. 尿検査

糖尿病における尿検査の役割は大きく分けて2つのカテゴリーに分けられます。
血糖コントロールに関する「尿糖」と、糖尿病性腎症に関する「アルブミン尿・尿タンパク」の検出に分けて説明します。

  1. 尿糖
    診断の補助として、高血糖の状態を把握するのに使用されます。ただし、尿糖の存在だけでは糖尿病の進行や合併症の状態を把握することはできません。
  2. アルブミン尿、尿タンパク
    腎臓の状態を評価するために非常に重要です。 特に糖尿病性腎症は病気が進行するまで、症状が出にくいことが特徴です。定期的な尿検査を行うことで、腎機能障害を早期に発見することができます。

当日検査結果をご説明させていただきます。

糖尿病の診断

糖尿病の診断には、主に血糖値とHbA1cの検査が使われます。
複数の検査結果を組み合わせて診断が確定されることが多く、どの検査も定期的に行うことで、糖尿病の早期発見や管理が可能です。